こんにちは。夕佳です。このコラムの名の由来はこちらを御覧ください。
4月20日19時前、太陽は牡羊座から牡牛座へ移ります。今回のコラムのテーマは牡牛座についてです。
牡牛座について考えるときに、いつも思い浮かぶのは「美味しいものが好きな人たち」というイメージです。私の周りにいる牡牛座の人はわりと細身の人が多くて、大食漢というイメージはないのですが、食の好みには、彼らなりの強いこだわりがあるように思います。お洋服にも独特のこだわりがあったり…いや、むしろ、お洋服より、タオルやシーツ、下着といった直接肌に触れるものにうるさいかもしれません。肌で感じるものに関して、繊細な感覚の持ち主です。
牡羊座の生まれたばかりの赤ん坊は、牡牛座の段階で、見たり聞いたり味わったりと五感を発達させていきます。牡牛座は、「感じる」星座です。
また、牡牛座は、「自分自身の財産」を表します。逆に、「自分以外の人からもたらされる財産」は、対極に位置する蠍座。そして、牡牛座の守護星は金星ですが、もう一つ金星を守護星に持つ星座があって、それは天秤座です。金星は、美と愛の星。天秤座は、「相手」とのやりとりの中で、いろいろと見つけていく星座。美や愛のあり方も、牡牛座とは違っているように思います。
牡牛座にとって大事なのは飽くまで「自分」です。これは、牡牛座の人は利己的だといっているのではありません。誰しも、牡牛座的な部分は持ち合わせているはずです。いつも「誰かのために」なんて、疲れてしまいます。
誰かのことに気をとられすぎて、疲れてしまったときに、牡牛座的な愛や美のあり方は、私たちの心を癒してくれるかもしれません。誰かのために美しくなるわけではない。誰かを愛する前に自分を愛したい。誰かがそう感じたから、ではなく、「私」はこう感じた。まずは、自分がどう感じるか。ただ、人の欲望は果てしないところがあって、自分だけのために欲望を走らせると、際限がなくなってしまうのも事実です。
ピーター・グリーナウェイ監督の『コックと泥棒、その妻と愛人』という映画がありますが、その泥棒アルバートはその良い例かもしれません。泥棒アルバートはいわゆる暴君です。自分の欲望を満たすためには手段を選びません。人の心も力でなんとかしようとします。しかし、もちろん人の心は力では支配できません。コックも、泥棒の妻やその愛人もそれぞれの欲望がある。そして、それを満たしたいと考えています。自分の欲望を他人に押し付けたアルバートはひどいしっぺ返しをくらうことになります。
誰だって、誰かの欲望を一方的に押し付けられるのはごめんです。それは「あなた」の欲望であって、「私」の欲望ではない。「あなた」には欠けていて、求めているかもしれないけれど、「私」には欠けてはいない。そこが一致している場合もあるけれど、一致していない場合だってあるのです。
牡牛座に対応するタロットカードは、「教皇」とされています。一人で学ぶのではなく、みなと学ぶことに意味があるというような意味合いのカードです。伝統を学ぶ、受け継ぐ、といった意味も持っています。私たちは、自分の欲望をどう昇華させればよいのでしょう。厄介なことに、私たちの中には、あらゆる欲望が渦巻いています。他人に自分の欲望を押し付けて云々なんて話の前に、自分自身の中でそういったことをしているのかもしれません。
アルバートも、コックも、アルバートの妻も、その愛人も、私たちの中に存在しているのかもしれない。「教皇」というカードにおいて、こういったあらゆる要素をまとめるのに必要なのは、「伝統であり、霊的/精神的な教えであり、また宗教的慣習や、他人からの期待に従うこと」(レイチェル・ポラック著『タロット・バイブル』朝日新聞社刊)少々堅苦しいですが、時にはそういったことがヒントを与えてくれるのかもしれません。
昔の人も悩み事は似たようなものだったのかもしれません。いろんな人の考え方から力を借りるのは悪いものではありません。そして、「他人からの期待に従うこと」だなんて、「自分の欲望に素直であれ」なんて話していたのに?」と、思われるかもしれません。
迷ったときは、一旦、他人の期待に従ってみた方が、求めている答えを得るのに近道な場合もあるでしょう。自分の中の、アルバートのような暴君を突っ走らさないために必要な場合もあるでしょう。純粋に欲望を満たしたいと考えるときもあるけれど、それを満たすことによって、別の欲望が満たされなくなる。
私たちは単純なような複雑なような存在です。先にも言いましたが、牡牛座は「感じる」星座です。もっと素直になっていいのかもしれません。あれもこれも満たしたいと思い悩みながらも、本当に満たしたい欲望は、たった一つだけなのかもしれません。とても単純なのかもしれません。
牡羊座の季節は、春が始まったばかりで、不安定な要素もありましたが、牡牛座の季節は、緑が豊かで、咲きこぼれる花に囲まれる季節です。牡牛座は固定宮といわれる星座で、大変安定感がありますが、この時期に感じる生命力にも安定感を感じます。この牡牛座という、固定宮の「感じる」星座は、直感を生かして、これだと決めることができるはずです。
そして、決めたら、てこでも動かないはずです。迷ったときは、少し心の砦をゆるめて直感に身を任せてみてはどうでしょう。誰のためでもなく、自分自身の本当の欲望に気付くことができるのかもしれません。
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さて、あなたがカードの聞きたいことを心に思い浮かべて、6枚の中から1枚選んでください。直感で、好きな絵柄で、または、何か引っかかりを感じるものを選んでみてください。
少しルールをお話しすると、先ほどもお話しましたが、今回のテーマは牡牛座です。この星座に関連したカード6枚を選んでいます。この星座に太陽が位置する期間は、今年は4月20日19時前から、5月21日18時前まで。
次回は、双子座に太陽が移る少し前に更新する予定です。そして、カードも双子座に関連するもの。毎回、その時期の星座に関連したカードが登場します。
「UMEBOSHI★ONIGIRI TAROT URANAI? -2015 taurus-」への2件のフィードバック