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UMEBOSHI★ONIGIRI TAROT URANAI? -2016 PISCES-

こんにちは。夕佳です。このコラムの名の由来はこちらを御覧ください。

2月19日午後2時半ごろ、太陽は水瓶座から魚座へ。

今回のテーマは魚座です。

水瓶座というのは、社会がよりよくなるために意識的に常識をぶち壊すのに対して、魚座は、無意識に非常識なことをしてしまっている星座かもしれません。悪気はなく、その愛嬌でもって許される場合も多々あり、ときとして、憎たらしいと思われることもあるようです。先日、太陽星座 水瓶座の方とお話していて、そんなことを思いました。

魚座は、非常に成熟した部分と、子どものように無邪気な部分を持っていると言われています。この星座は、リボンで結ばれた二匹の魚をかたどったもので、一匹は美の女神アフロディテ、一匹はその子エロスとする神話もあります。大人と子どもが同居する星座。この子どものような純粋さや無邪気さが、気付けば、「非常識」とされる行為におよばせるということもあるのかもしれませんが、そういった二面性を意識しているのかしていないのか、魚座の人(魚座が重きを持つ出生図を持った人)は、その成熟した部分をうまく使って、無邪気さをコントロールしておられるようにも見えます。

魚座の季節は、水瓶座の、寒く凍りつくような静かな静かな季節から、植物が芽吹き、動物たちが冬眠から目覚める、動きに満ちた牡羊座の季節へと移行していく季節です。生命が、まるで死にたえたように見える季節を経て、また再生するかのような季節。

魚座は、「つかみどころがない」「浮世離れしている」と、言われますが、死のように深い眠りから徐々に目覚めて、まどろみながら夢を見ているような状態なのです。「つかみどころがない」のも「浮世離れしている」のも、当然のことなのかもしれません。

先日、デイヴィット・クローネンバーグの太陽星座が魚座と知り、意識しながら、彼の映画を立て続けに見ましたが、非常に「怖い」映画で、非常に「気持ちの悪い」映画であるにも関わらず、さらっとしていて、それが、非常に不思議でした。

魚座の「真剣なのか、真剣でないのかよくわからない、つかみどころのなさ」は、クローネンバーグの作品にも表れているように思います。それは、映す対象からある一定の距離を置いているような印象を受けるからでしょうか。世界観は強烈であるにも関わらず、どこかさめたような印象。

彼の映画に出てくる人々は、人間からハエになったり(『ザ・フライ』)、幻想の世界と現実の世界を行き来したり(『裸のランチ』、『ビデオドローム』)します。

ビデオドローム

自分の肉体の存在も精神の存在も曖昧で、一体何が本当なのか、「現実」とは何なのか考えさせられます。魚座は境界を越える星座とも言われますが、クローネンバーグの作品には、どういった世界に属しているのか非常に曖昧な人々が多く出てきます。映画を見ながら、「どの世界が「現実」なのだろう?」と、何度も考えました。

しかし、魚座の世界は、「死」から「生」へと移ろいゆく世界です。死んでいるのかも、生きているのかもわからない世界。枯れたように見える植物も、根は生きており、春になるのを待っている季節。

死んでいるようで、生きている世界。

そんな世界の人の作品に対して、「どの世界が「現実」なのだろう?」などという問いは、ナンセンスなように感じます。

クローネンバーグは、まるで悪夢のような「非日常的」で「非現実的」な世界を描く人ですが、彼の撮影現場はなかなか楽しい現場のようです。そして、彼は日常生活と同じレベルで撮影をすると言っているのだそうです。(『銀星倶楽部』16 より)

彼の映画に対して私が抱いた「さらっとしている」という印象は、「日常生活と同じレベルで撮影」ということとも関わっているのかもしれません。彼は「日常」と「非日常」、「現実」と「非現実」の境界を、それほどはっきりしたものだとは考えていないかもしれません。

「ぼくらが受けとめている現実は、〈絶対〉という言葉からはほど遠い。実のところ、非常に多様で、形を変える実在だ。」(『銀星倶楽部』16 より)

魚座の世界は「なんでもあり」です。どの「現実」も現実。もしかしたら、「現実ではない」と思っていたものも現実かもしれない。

それが、魚座の世界。

たとえ、苦悩があったとしても、成熟した精神や知性と、無邪気な感性でもって、そういった「曖昧な」世界を楽しむことができる。だからこその楽しい撮影現場なのかなと考えると、クローネンバーグは理想的な魚座と言えそうです。

さて、あなたがカードの聞きたいことを心に思い浮かべて、6枚の中から1枚選んでください。直感で、好きな絵柄で、または、何か引っかかりを感じるものを選んでみてください。

20160219

★占い★

少しルールをお話しすると、先ほどもお話しましたが、今回のテーマは魚座です。この星座に関連したカード6枚を選んでいます。この星座に太陽が位置する期間は、今年は、2月19日午後2時半ごろから3月20日午後1時半ごろまで。

次回は、魚座から牡羊座に太陽が移る少し前に更新する予定です。そして、カードも牡羊座に関連するもの。毎回、その時期の星座に関係したカードが登場します。

UMEBOSHI★ONIGIRI TAROT URANAI? -2016 Aquarius-

こんにちは。夕佳です。このコラムの名の由来はこちらを御覧ください。

1月21日午前0時半ごろ、太陽は山羊座から水瓶座へ。

今回のテーマは水瓶座です。

毎回、ここでのコラムを書くにあたって、その太陽星座を持つ映画監督を探すところから始めるのですが、もちろん同じ太陽星座を持つ映画監督はたくさんいるわけで、その中から誰を選ぶかは、はっきり言って「なんとなく」です。

今回はたまたまフランソワ・トリュフォーが、目に付きました。目に付いた理由は、彼が

「わたしはロボットとかコンピューターとかいったものに生理的な嫌悪を感じるのです。」(*1)

と、語っていて、そういったものは西洋占星術の世界では水瓶座担当だからです。コンピューターが嫌いな水瓶座。ただ、水瓶座は大変古いものも担当します。現在の世の中の流れとはあまりつながりがないくらい古いもの担当です。彼はスティーブン・スピルバーグ監督作品『未知との遭遇』に出演しているのですが、よく耐えられたなと思います。

トリュフォー 未知との遭遇

ゴダールの作品『アルファヴィル』のことも、「はじまりと終わりは実にすばらしいと思いますが、途中、機械が、コンピューターが、しゃべりはじめるところになると、もうとてもついていけないのです。」(*2)と、語っているくらいなのに、おもしろいものです。

水瓶座にとって大事なのは、世間がどう言おうと自分の頭で納得することだとも言われています。トリュフォーのコンピューター嫌いは頭というより感性の問題だと思いますが、水瓶座が出世図において大きな意味を持つ人たちは、大衆や社会がどうであろうと自分なりの流儀を大切にする人が多いように感じます。

水瓶座はユニークな星座といわれる所以でしょうか。ただ、それだけユニークであるにも関わらず、彼らは人々を愛します。愛するからといって、変なおせっかいは焼きませんが、親切で、オープンです。そして、人々を束縛はしませんし、それぞれの個性を大切にします。個人であることを大切にします。

トリュフォーがコンピューターが嫌いであったとしても、彼が人々に対して非常に親切で献身的だったことは確かで、この辺りは水瓶座の特性をよく表してくれています。

彼は、自分に生きる喜びを与えてくれた映画の世界に、映画を作る人たちに、献身的に尽くしました。そこにあるのは、感謝の気持ちであり、恩返しの気持ちです。

ジャン・コクトーの『オルフェの遺言』のときのような資金面での援助もしたし、

ロベルト・ロッセリーニに対しては、無償の助監督をつとめたり、

自分を助け育ててくれた映画批評家アンドレ・バザンの遺児フロラン・バザンをあずかって、映画のスタッフに加えて育てたり、

アルフレッド・ヒッチコックの50時間にもおよぶインタビューを1冊にまとめたり、等々。

あらゆる方面から、映画の世界を助けたことがわかります。

自分だけのためでない、という点は非常に水瓶座的な特性です。水瓶座は、公共の幸せを願うのです。「革命家」も水瓶座の分野ですが、世の中がより素晴らしいものになるように「革命」を起こすのです。

また、水瓶座は、タロットカードの「星」と対応しています。その守護星 天王星は「愚者」のカードと対応しています。この二枚のカードの共通点は、「そのままであること」と「自由」ではないかと思います。

トリュフォーの伝記(*3)を読んでいると、少年時代の彼はまるで野生児のようです。野宿し、ボロボロの格好でうろうろし、狂ったように映画にのめりこんでいきます。その辛い家庭環境からというのもあるでしょうが、彼は家出少年で、家出しては、悪さをし(それは映画を観るためなのですが)、少年鑑別所に入れられたりもしています。

カードの「愚者」そのままです。

そして、映画への愛は、熱狂的ではあるものの、彼にとっての希望です。

それはまるで「星」のカードのようです。

「星」は暗闇を照らし、希望を与えてくれるのです。「愚者」は「星」に導かれて、混沌とした世界に埋もれずにすむのかもしれません。

水瓶座の理想主義的です。理想は希望の星です。自由奔放な水瓶座は、希望に導かれ、理想を信じ、追求する強さを持つ星座なのです。

*1、*2、*3:山田宏一、蓮實重彦著『トリュフォー、最後のインタビュー』(平凡社)

さて、あなたがカードの聞きたいことを心に思い浮かべて、6枚の中から1枚選んでください。直感で、好きな絵柄で、または、何か引っかかりを感じるものを選んでみてください。

さて、あなたがカードの聞きたいことを心に思い浮かべて、6枚の中から1枚選んでください。直感で、好きな絵柄で、または、何か引っかかりを感じるものを選んでみてください。

少しルールをお話しすると、先ほどもお話しましたが、今回のテーマは水瓶座です。この星座に関連したカード6枚を選んでいます。この星座に太陽が位置する期間は、今年は、1月21日午前0時半ごろから2月19日午後2時半ごろまで。

次回は、水瓶座から魚座に太陽が移る少し前に更新する予定です。そして、カードも魚座に関連するもの。毎回、その時期の星座に関係したカードが登場します。

UMEBOSHI★ONIGIRI TAROT URANAI? -2016 Capricorn-

こんにちは。夕佳です。このコラムの名の由来はこちらを御覧ください。

12月22日午後2時前、太陽は射手座から山羊座へ。

今回のテーマは山羊座です。

ドラマ『ツイン・ピークス』の続編の話題もちらほら目にすることも増えて、個人的にどんどん楽しみなデヴィット・リンチですが、彼が山羊座です。

以前もお話したことのあるドキュメンタリー『ホドロフスキーのDUNE』ですが、このドキュメンタリーのテーマとなっている『デューン』を最終的に映画化したのがデヴィット・リンチです。

映画化できなかったホドロフスキーは水瓶座で、まわりまわって映画化することになったリンチは山羊座。山羊座の性質のひとつとして「現実化する」というものがあるのですが、「まさに」と思ったエピソードです。水瓶座は風の星座で、精神やコミュニケーションを大切にする星座です。ホドロフスキーは、映画を実際作り上げることはできなかったけれど、作品の精神性やメッセージは後世の映画人たちに大きな影響を与えた。そして、リンチは、原案とだいぶ異なっていたとは言え、形にした。それが、単なる偶然であったとしてもなかなか面白い偶然だと感じました。

古典的な占星術では、山羊座と水瓶座の守護星は同じ土星なのですが、この一見異なるようでいて、似ている部分も多くある二つの星座のつながりを感じさせるエピソードでもあります。どちらの星座にも、信念を貫くイメージがあります。

リンチの作品は、個性的で一風変わった作風のイメージが強いのですが、彼の出生図を見ていると、「あえてタブーに触れる人」というイメージもありますが、「細やかで職人気質の経営者」というイメージも濃厚でした。

彼の映画は、タブーに触れていたり不気味であるとともに、映像も音楽も美しく、細部まで注意の行き届いたものだといつも感じます。彼のこだわりの部分も大きいとは思いますが、観る人々への配慮も大きいのかもしれません。

山羊座は、四元素(火・風・水・地)の中では、地の星座です。

地の星座は、現実的です。夢を見たとしても、それを現実的に考えることも忘れません。実際、肌で感じることのできるもの、目で見ることのできるものを重要視する星座です。お金や仕事、日常生活は地のエネルギーの担当分野です。それと同時に、職人気質で芸術的な面も持ち合わせています。実際、触れて見ることを重要視するため、感性が細やかなのです。

芸術的センスに溢れてはいるだけなく、経営者としての才能も発揮できるのが山羊座の特質です。ものを管理するのが得意ともいわれる山羊座です。管理職、社長業にも向いています。

また、タフな星座でもあります。

ハードワークにも耐えうる精神力と体力を持ち合わせている星座。途中で投げ出すということをしません。着実に、根気強く目標に向かって努力を積み重ねていきます。

先日、デヴィット・リンチの『ストレイト・ストーリー』を見ていて、山羊座であるリンチの、もうひとつの一面を見たように感じました。この映画は、時速8kmの芝刈り機に乗って兄に会いにいく老人の物語です。美しい映画ではありますが、多くの他の作品に見られる悪夢のような雰囲気はありません。「芝刈り機に乗って兄に会いに行く」という目標をやり遂げようとする老人の物語です。The-Straight-Story

急ぐことなく、こつこつと、ハプニングにもめげず、目標を達成するために努力を積み重ねるというのは、先ほど述べた山羊座のイメージと大いに重なります。そして、山羊座の守護星 土星は、老人をあらわすこともあります。

そして、この主人公の老人が愛情深く娘のことを語るシーンも印象的でした。

山羊座という星座を思うとき、昔かたぎな「お父さん」像を思うことがあります。無口で、真面目で、無骨で、愛する家族のためによく働く人です。

山羊座の、どこか近寄りがたい真面目さの中にある、繊細さや愛の深さを思うからかもしれません。それはときに、誤解をうむくらいの無骨さです。本当に「愛情」があるのかしら?泣いたりするのかしら?ふざけることなんてあるのかしら?

簡単に感情を出さないのは、現実的で真面目な山羊座の優しさゆえなのかもしれません。お金がどんなに大切か、現実の厳しさを知っている星座です。愛や感受性、繊細さも尊いものだけれど、それだけでは解決できない問題は山ほどあります。泣いたりわめいたりたりしても解決しないから、簡単にはそうしない。

山羊座は、女性星座で、活動宮です。女性星座らしい、受け入れ、育てることのできる側面と、こうだと思ったら行動に起こす活動宮らしい側面を持った星座です。

優しさと愛に裏打ちされた行動を起こすことのできる頼りがいのある星座なのです。

最後に、少しご挨拶を。

この一年読んでくださったみなさま、大変ありがとうございました。

来年もどうぞよろしくお願いいたします。

2016年が、みなさまにとってよい年となりますように。

さて、あなたがカードの聞きたいことを心に思い浮かべて、6枚の中から1枚選んでください。直感で、好きな絵柄で、または、何か引っかかりを感じるものを選んでみてください。

少しルールをお話しすると、先ほどもお話しましたが、今回のテーマは山羊座です。この星座に関連したカード6枚を選んでいます。この星座に太陽が位置する期間は、今年は12月22日午後2時前から来年1月21日午前0時半ごろまで。

次回は、山羊座から水瓶座に太陽が移る少し前に更新する予定です。そして、カードも水瓶座に関連するもの。毎回、その時期の星座に関連したカードが登場します。