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UMEBOSHI★ONIGIRI TAROT URANAI? -2015 leo-

こんにちは。夕佳です。このコラムの名の由来はこちらを御覧ください。

7月23日お昼の12時半ごろ、太陽は蟹座から獅子座へ。

テーマは獅子座。自己表現の星座。守護星は太陽。太陽系の中心です。そして、獅子は百獣の王。これだけ書いても、目立たないわけがない星座ですし、目立つことを恐れてはならない星座です。

先日、マドンナの新曲のPVを見ながら、これだけみんなに注目されながら、マドンナはまだ飢えている感じがする、なんでやねんと考えていました。

マドンナは獅子座です。

最近(?)の流行のセルフィー※ですが、あれも、自己表現だよなと思って見ていました。SNSに大量にあげられるセルフィーは、もちろんのこと、一つの人生を背負った人間によるものです。その顔の奥には、いろんな思いがあるはずです。「見られたい」人は山ほどいる。私もあなたも、本当に誰にも見られてなかったら、孤独で頭がおかしくなってしまうかもしれない。

何故人は人に見てもらいたいと考えるのでしょう。自己顕示欲を満たしたいから?承認欲求を満たしたいから?ただそのままを提示して注目を集めることのできる人はそうそういませんし、そのために努力も必要です。セルフィーですから、見た目の手入れから、どう写すか、その切り口。コメントも気が利いていないといけないし、どの層にアピールするか考えて自己演出しなければなりません。それをいやらしいと感じるか、自分に自意識が良い意味で高いと考えるかは人それぞれでしょう。

ただ言えることは、楽しんでいるのは送り手だけだけではないということです。楽しんでいる受け取り手がいるのです。待っている受け手がいる。

獅子座は、まるで舞台に立つように生活もドラマチックに生きることのできる星座です。一体誰のためにそうしているのでしょう。獅子座の人たちの立ち居振る舞いはとても優雅であることが多く、特定の誰かのためにしているわけでなくても、「見てしまう」のかもしれません。セルフィーのように見られることを意識したものもあれば、美しさゆえだたり、存在感であったり、さまざまな理由で、本人は無意識であっても「見られてしまう」人もいるでしょう。

女優のシャーリーズ・セロンは、獅子座の人。私はまだ見ていませんが『マッド・マックス 怒りのデスロード』にも出演しており、話題の人です。彼女を最初に見たのは、『サイダーハウスルール』、続けて同じ日に『モンスター』を見ました。

モンスター

『サイダーハウスルール』で見せたまばゆい美しさ。こんな綺麗な人がいるのかと思いました。『モンスター』で見せる醜さ、悲しさ。目を疑いました。同じ人なの?どちらにも釘付けになったことは言うまでもありません。美しくても、醜くても、私たちは見てしまう。彼女は女優です。

その熟練した技術でもって、見せられてしまう。熟練した獅子座はいろんな方法で私たちの目を釘付けにするのかもしれません。最初に書いたマドンナの『ビッチ・アイム・マドンナ』のPVで見せるマドンナは決して上品とは言えません。美しいのかな?それも人それぞれ感じ方は違う。が、しかし、見てしまう。

マドンナはなぜこういうPVを撮ったのだろう?

派手な外見の中身は一体なんなのだろう。

獅子座の守護星太陽の光は強烈です。光が強ければ強いほど、影は濃くなる。光も影も使って、私たちは人の目を捉えたいと思うことがあるのかもしれません。その理由も人それぞれでしょう。人は一人では、なかなか生きていけないのかもしれません。誰かに見ていてほしい。

どんな風に生きているのか、見ていて欲しいと望んでいるのかもしれない。明るい部分も暗い部分も。ならば見てもらえばいい、そして、見ている人にも楽しんでもらえばいい。楽しませるのは無理でも、共感を覚えてもらえばよいのかもしれない。

自意識が勝ちすぎて、見られたいのに、見られたくないなんて言うとき、そんなのはしたないからなんて言うとき、熟練の獅子座は笑うかもしれません。堂々としてればよいのにと。

※セルフィー…自撮り

さて、あなたがカードの聞きたいことを心に思い浮かべて、6枚の中から1枚選んでください。直感で、好きな絵柄で、または、何か引っかかりを感じるものを選んでみてください。

少しルールをお話しすると、先ほどもお話しましたが、今回のテーマは獅子座です。この星座に関連したカード6枚を選んでいます。この星座に太陽が位置する期間は、今年は7月23日お昼の12時半ごろから8月23日19時40分ごろまで。

次回は、獅子座から乙女座に太陽が移る少し前に更新する予定です。そして、カードも獅子座に関連するもの。毎回、その時期の星座に関連したカードが登場します。

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UMEBOSHI★ONIGIRI TAROT URANAI? -2015 cancer-

こんにちは。夕佳です。このコラムの名の由来はこちらを御覧ください。

6月22日1時前、太陽は双子座から蟹座へ。今回は、蟹座をテーマに。

蟹座のキーワードの代表的なものとして「家族」というものがあります。あとは、自分が安心して過ごすことのできる「ホーム」のような場所。住む「家」自体も。

どれも、自分を守るものだったり、守りたいと思うものだったりするのでしょうか。同時に、足かせになりうるものかもしれない。

私自身、近々、引っ越すこともあり、「家族」との関係や「家」について考える時期でもありました。

引越の際に保証人が必要になって、家族のいる人間は家族に頼むわけですが、いない人や頼めない人もいるわけです。人によって家族のあり方はそれぞれであるにも関わらず、「家族とはこうあらねばならない」というものが根強いように感じます。

何故なのでしょう。「こういうものだ」と、決められたものって安心するからでしょうか?

蟹座のキーワードには「排他的」というものもあって、家族と認めたものには優しいが、それ以外のものには厳しいみたいな部分もあるとされている。

実際、誰でも味方とはいかないところが世の中にはあって、敵、味方とまでは言わないまでも、「この人には気を許してもよいけれど、この人には許せない」というのは大抵の人にはあるかもしれない。排他的ということばは、きつすぎるとしても、そういったきらいは誰にでもあるかもしれません。

蟹は柔らかい内臓を固い甲羅で覆って守っていますが、そのイメージも蟹座のイメージに重なっていくのです。

「ここにいるとほっとする」それは、そこに柔らかい部分を侵す「敵」がいないからです。血のつながりによる家族、法律による家族、心でつながっている家族。おそらくいろんな「家族」がある。

血でつながっている家族より、心で繋がっている家族の方が頼りになることもある。血でつながっていても、味方のように感じれない場合もある。

「家族」とは?「ホーム」とは?「家」とは?

私たちにもし「家」がなく、敵にまみれながら暮らさねばならないとしたら、それはどれほどストレスフルは状況なのでしょう?私たちにとって、雨や風をしのぐ「家」、厳しい人間関係から守ってくれる「家族」、そういったものはとても大切です。

先日、『チョコレートドーナツ』という映画を見ました。

チョコレートドーナツ

ショーパブのダンサー ルディと検事局に勤めるポールはゲイのカップル。ルディの近所にはダウン症の少年マルコが母親と住んでいました。ある日、母親が薬物所持で逮捕され、見かねたルディはマルコを引き取ることにするのですが、ルディとポールがゲイのカップルであるということもあり、世間の目は非常に冷たいものでした。彼らは素晴らしい「家族」であったにもかかわらずです。マルコは、いつも薬に溺れる母親から放置されていました。施設に預けられた後も、ルディとポールをひどく恋しがりました。にも関わらず、世間は冷たかった。それは、単なる偏見によるものです。

偏見とは、よくわからないものに近づきたくない、傷つきたくないという排他的な気持ちから生まれるのかもしれません。それも、もしかすると、蟹座的な世界なのかもしれない。

人は一人で生きていくには、弱すぎるのかもしれません。寄り添って、温めあい、守りあい、助け合い生きていく。柔らかい私たちの心や体を、甲羅のように守るつながりが必要なのかもしれません。そういった柔らかい部分を見せるには、すこし勇気が必要です。うっかり間違った相手に見せて、傷つけられるようなことは十分ありえるからです。

しかし、見せなければ、共有できないものがある。見せることで敵ではないと証明できる。見せられたら、目を背けずに見る必要もある。短い時間では理解できなくても、ゆっくりと理解しなければならないのかもしれません。

そうしなければ、甲羅で覆われた部分は、成長することなく腐っていくだけなのかもしれない。なんて勇気のいることなのだろうと思います。

蟹座の神話は、とても切ないものです。

レルナという沼には、ヒドラと大きな蟹が住んでいました。9つの頭を持つ怪物ヒドラは毒気を吐いて人々困らせていたのですが、それを退治しようとやってきたのがヘラクレスです。最初は陰からその戦いを見ていた蟹でしたが、ヒドラが劣勢になるのを見かねて、ヘラクレスにとびかかった蟹。しかし、あっさりヘラクレスに踏みつぶされ、死んでしまいます。

この蟹の勇敢さは、傷つくとわかっていても、行動したくなる人の心をあらわしているように思います。勇気のある行為だと気付くのは後からという場合もあるのかもしれない。

自分にとって居心地のよい状態を知るということは、自分をよく見つめないとわからないように思います。何が必要で、何が必要でないか知らねばならないので。それは、一日二日でできることではなくて、長い時間がかかることなのかもしれません。しかし、長い時間をかける価値のあることです。じっくり、自分を守る場所を作りあげていく。そして、そうやって作り上げたものを簡単に壊されては、たまったものではありません。

自分を守るということはとても大切なこと。自分を守る場所を守るということも、また大切なこと。

さて、あなたがカードの聞きたいことを心に思い浮かべて、6枚の中から1枚選んでください。直感で、好きな絵柄で、または、何か引っかかりを感じるものを選んでみてください。

占いを始める

少しルールをお話しすると、先ほどもお話しましたが、今回のテーマは蟹座です。この星座に関連したカード6枚を選んでいます。この星座に太陽が位置する期間は、今年は6月22日夜中の1時半から7月23日お昼の12時半ごろまで。

次回は、蟹座から獅子座に太陽が移る少し前に更新する予定です。そして、カードも獅子座に関連するもの。毎回、その時期の星座に関連したカードが登場します。

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UMEBOSHI★ONIGIRI TAROT URANAI? -2015 gemini-

こんにちは。夕佳です。このコラムの名の由来はこちらを御覧ください。

5月21日18時前、太陽は牡牛座から双子座へ。もちろん、今回のコラムのテーマは双子座について。

双子座と聞いて、私が思い浮かべるのは、西洋占星術を最初に教わった教室が、双子座色の強い人の多い場所だったことでしょうか。太陽の星座が双子座の人はもちろん、星の星座が双子座、アセンダントが双子座の人などなど。(西洋占星術では、出生時の太陽の位置した星座だけでなく、月や金星など他の天体の位置した星座もみて、その人の運勢を読み解いていきます。)

その教室の特徴は、とにかくみんなよく話すということ。とてもにぎやかで明るい教室だったことを思い出します。話題はころころ変わるし、落ち着きがないといえばそうかもしれないけれど、みんな気にせず、変化に合わせて楽しめる仲間でした。聞きたいことがあれば、気さくに先生に質問し、疑問点があれば、それも気さくにみんなで話し合う。とても刺激的な会話のできる場所、知的好奇心を大いに満たしてくれる場所でした。

知的でフットワークが軽い、それはとても双子座的。

牡羊座の生まれたばかりの赤ん坊は、牡牛座の段階で、触ったり見たり聞いたり味わったりして世界を認識し、そして、双子座になって、言葉を使い人とコミュニケーションをとりはじめます。双子座は、コミュニケーションを司る風の星座であり、行動的で積極的な男性星座です。占星術の教室で、話が盛りあがるのは当然のことと言えるでしょう。

双子座は、何か一つのことに集中してとことん追及するより、いろんなことを見聞きして、情報を集め、分析するのに向いているかもしれません。飽きっぽくて淡白だともいわれる星座ですが、思いやりがないわけではありません。とても、勘の良い人の多い星座です。いろんな人の気持ちを敏感に察知し、いろんな人に合わせることができます。

そうやって「いろんな」顔ができてしまう器用さから、二重人格だなんて言われたりもしますが、不用意に人の深い部分に立ち入るようなことはせず、心地よい距離で人と接することができます。

そして、それが、双子座の気遣いのあり方なのかもしれません。

双子座の神話は、「飽きっぽくて淡白」なこの星座のとても優しい部分を表しているように思います。大神ゼウスとスパルタの王妃レダとの間に生まれた双子の兄弟ポリュデウケースとカストール。

ポリュデウケースは弟、カストールが兄です。二人はとても仲の良い双子でしたが、ポリュデウケースが神で不死身であるのに対して、カストールは人間で、その命は限りあるものでした。

そこで、ポリュデウケースは、自分の不死性をカストールに分け与えることにしました。そして二人は今も仲良く、一日(一年という説も)の半分は神として天上で暮らし、半分は人間として地上で暮らしているとされています。

双子座の人は自分だけが楽しかったらよいというタイプではないように思います。周りの人も楽しくあってほしい、だからこそ、その器用さを発揮するのではないでしょうか?人であったり、神であったり、そんなとんでもない境界線も自由に行き来できる柔軟な星座。

また、人とコミュニケーションをとることの楽しさを知っているから、自分ひとりで長生きして楽しんでいても、さみしいし、もったいないと考えるような星座。

ポリュデウケースは一人で不死身あることより、それを兄に与えることで、不死性だけでなく、楽しみをも分かち合う道を選びました。たくさんの人、いろんな人と感情を共有することの楽しさ、喜びを知っている星座です。柔軟で器用であるだけに、人に合わせすぎて疲れてしまうこともあるでしょう。ときには、そのような敏感な部分を休めることが必要です。決して、神経が太いタイプではありません。過敏になりすぎる前に、誰にも合わせる必要のないゆったりとした時間を持つことが大切かもしれません。

『ロシュフォールの恋人たち』というフランス映画がありますが、その主人公は、フランス、ロシュフォールに暮らす双子座(!)の双子の姉妹です。

ロシュフォールの恋人たち

この映画を撮ったジュック・ドュミも双子座。

軽快なリズム、美しいメロディで散りばめられたこのミュージカル。その物語は、初夏から夏を思わせる明るい日差しの中で展開していきます。双子座の季節と重なっているのかもしれません。

この映画の中で、双子の姉妹は歌います。

「シャレた言葉や、ウィットが好き」

それはとても双子座的です。この映画の中では、いくつもの恋が描かれますが、泥沼のような描かれ方はしません。ロマンチックなことは大好きだし、真剣に取り組みもするけれど、ウェットにはならない。そんな描かれ方。

この映画を見ていると、「世界が深くて美しいことは十分わかっているし、ことを必要以上に深刻に表現する必要はないんじゃないか、軽やかで楽しくてもいいじゃない。」と、言われているような気持ちになります。繊細で聡明な星座です。世界の深い側面に気付いていないはずがありません。

双子座の季節は、日本では初夏から梅雨に、そして春から夏へ移り行く季節です。双子座は柔軟宮と呼ばれる宮ですが、この変化していく季節の星座だからでしょう。その柔軟さは、いろいろな色に染まることができてしまうということで、その星座の人を悩ませるかもしれません。神になったり人になったりできるのですから、それは大変なものです。

でも、物事は変化していくものです。決して変わらないものなどありません。だから、軽やかに楽しくやっていかないと持たないよ、と、双子座の人たちは、落ち込んだ顔も、軽やかな笑顔とウィットに富んだ会話でたくみに隠しながら、私たちに教えてくれているのかもしれません。

双子座以外の人たちにも、少なからずそういう側面があって、そんな自分の側面に助けられることがあるかもしれません。

ロシュフォールの双子の姉妹や、ポリュデウケースとカストールを思い出すことで、自分のそんな側面を思い出すことができるかもしれません。

さて、あなたがカードの聞きたいことを心に思い浮かべて、6枚の中から1枚選んでください。直感で、好きな絵柄で、または、何か引っかかりを感じるものを選んでみてください。

少しルールをお話しすると、先ほどもお話しましたが、今回のテーマは双子座です。この星座に関連したカード6枚を選んでいます。この星座に太陽が位置する期間は、今年は5月21日18時前から6月22日夜中の1時半ごろまで。

次回は、蟹座に太陽が移る少し前に更新する予定です。そして、カードも蟹座に関連するもの。毎回、その時期の星座に関連したカードが登場します。

UMEBOSHI★ONIGIRI TAROT URANAI? -2015 taurus-

こんにちは。夕佳です。このコラムの名の由来はこちらを御覧ください。

4月20日19時前、太陽は牡羊座から牡牛座へ移ります。今回のコラムのテーマは牡牛座についてです。

牡牛座について考えるときに、いつも思い浮かぶのは「美味しいものが好きな人たち」というイメージです。私の周りにいる牡牛座の人はわりと細身の人が多くて、大食漢というイメージはないのですが、食の好みには、彼らなりの強いこだわりがあるように思います。お洋服にも独特のこだわりがあったりいや、むしろ、お洋服より、タオルやシーツ、下着といった直接肌に触れるものにうるさいかもしれません。肌で感じるものに関して、繊細な感覚の持ち主です。

牡羊座の生まれたばかりの赤ん坊は、牡牛座の段階で、見たり聞いたり味わったりと五感を発達させていきます。牡牛座は、「感じる」星座です。

また、牡牛座は、「自分自身の財産」を表します。逆に、「自分以外の人からもたらされる財産」は、対極に位置する蠍座。そして、牡牛座の守護星は金星ですが、もう一つ金星を守護星に持つ星座があって、それは天秤座です。金星は、美と愛の星。天秤座は、「相手」とのやりとりの中で、いろいろと見つけていく星座。美や愛のあり方も、牡牛座とは違っているように思います。

牡牛座にとって大事なのは飽くまで「自分」です。これは、牡牛座の人は利己的だといっているのではありません。誰しも、牡牛座的な部分は持ち合わせているはずです。いつも「誰かのために」なんて、疲れてしまいます。

誰かのことに気をとられすぎて、疲れてしまったときに、牡牛座的な愛や美のあり方は、私たちの心を癒してくれるかもしれません。誰かのために美しくなるわけではない。誰かを愛する前に自分を愛したい。誰かがそう感じたから、ではなく、「私」はこう感じた。まずは、自分がどう感じるか。ただ、人の欲望は果てしないところがあって、自分だけのために欲望を走らせると、際限がなくなってしまうのも事実です。

ピーター・グリーナウェイ監督の『コックと泥棒、その妻と愛人』という映画がありますが、その泥棒アルバートはその良い例かもしれません。泥棒アルバートはいわゆる暴君です。自分の欲望を満たすためには手段を選びません。人の心も力でなんとかしようとします。しかし、もちろん人の心は力では支配できません。コックも、泥棒の妻やその愛人もそれぞれの欲望がある。そして、それを満たしたいと考えています。自分の欲望を他人に押し付けたアルバートはひどいしっぺ返しをくらうことになります。

コックと泥棒、その妻と愛人1

誰だって、誰かの欲望を一方的に押し付けられるのはごめんです。それは「あなた」の欲望であって、「私」の欲望ではない。「あなた」には欠けていて、求めているかもしれないけれど、「私」には欠けてはいない。そこが一致している場合もあるけれど、一致していない場合だってあるのです。

牡牛座に対応するタロットカードは、「教皇」とされています。一人で学ぶのではなく、みなと学ぶことに意味があるというような意味合いのカードです。伝統を学ぶ、受け継ぐ、といった意味も持っています。私たちは、自分の欲望をどう昇華させればよいのでしょう。厄介なことに、私たちの中には、あらゆる欲望が渦巻いています。他人に自分の欲望を押し付けて云々なんて話の前に、自分自身の中でそういったことをしているのかもしれません。

アルバートも、コックも、アルバートの妻も、その愛人も、私たちの中に存在しているのかもしれない。「教皇」というカードにおいて、こういったあらゆる要素をまとめるのに必要なのは、「伝統であり、霊的/精神的な教えであり、また宗教的慣習や、他人からの期待に従うこと」(レイチェル・ポラック著『タロット・バイブル』朝日新聞社刊)少々堅苦しいですが、時にはそういったことがヒントを与えてくれるのかもしれません。

昔の人も悩み事は似たようなものだったのかもしれません。いろんな人の考え方から力を借りるのは悪いものではありません。そして、「他人からの期待に従うこと」だなんて、「自分の欲望に素直であれ」なんて話していたのに?」と、思われるかもしれません。

迷ったときは、一旦、他人の期待に従ってみた方が、求めている答えを得るのに近道な場合もあるでしょう。自分の中の、アルバートのような暴君を突っ走らさないために必要な場合もあるでしょう。純粋に欲望を満たしたいと考えるときもあるけれど、それを満たすことによって、別の欲望が満たされなくなる。

私たちは単純なような複雑なような存在です。先にも言いましたが、牡牛座は「感じる」星座です。もっと素直になっていいのかもしれません。あれもこれも満たしたいと思い悩みながらも、本当に満たしたい欲望は、たった一つだけなのかもしれません。とても単純なのかもしれません。

牡羊座の季節は、春が始まったばかりで、不安定な要素もありましたが、牡牛座の季節は、緑が豊かで、咲きこぼれる花に囲まれる季節です。牡牛座は固定宮といわれる星座で、大変安定感がありますが、この時期に感じる生命力にも安定感を感じます。この牡牛座という、固定宮の「感じる」星座は、直感を生かして、これだと決めることができるはずです。

そして、決めたら、てこでも動かないはずです。迷ったときは、少し心の砦をゆるめて直感に身を任せてみてはどうでしょう。誰のためでもなく、自分自身の本当の欲望に気付くことができるのかもしれません。

さて、あなたがカードの聞きたいことを心に思い浮かべて、6枚の中から1枚選んでください。直感で、好きな絵柄で、または、何か引っかかりを感じるものを選んでみてください。

少しルールをお話しすると、先ほどもお話しましたが、今回のテーマは牡牛座です。この星座に関連したカード6枚を選んでいます。この星座に太陽が位置する期間は、今年は4月20日19時前から、5月21日18時前まで。

次回は、双子座に太陽が移る少し前に更新する予定です。そして、カードも双子座に関連するもの。毎回、その時期の星座に関連したカードが登場します。

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UMEBOSHI★ONIGIRI TAROT URANAI? -2015 aries-

こんにちは。夕佳です。このコラムの名の由来はこちらを御覧ください。

3月21日の午前8時前、太陽は牡羊座へ移ります。

今回のコラムのテーマは牡羊座についてです。前回の魚座のコラムで、魚座は「死」で、牡羊座は「誕生」を表すというお話をしたのですが、今回の牡羊座は、そうです、「誕生」の星座です。

牡羊座は、生まれたての赤ちゃんのような星座。裏表がなく、そのまんまというイメージの星座です。今回のコラムを書くにあたって、牡羊座をイメージするような映画や小説について考えていたのですが、「赤ちゃんが生まれてくるときのような爆発的なエネルギーを持ったものとは」、「人との関係性というより「私とは」がテーマになっているものとは」などなど、いろいろとややこしく考えを巡らしていました。

そのとき、「これは牡羊座っぽい」と私が思ったものの共通点は、とにかく、純粋でストレートでエネルギッシュであることなのには変わりないのですが、「純粋であるが故に、社会との葛藤を生んでいるもの」でした。

この星座は、社会性だとか常識だとか、そういったものに囚われていません。囚われていないため、人から見ると、非常に不器用であったりもするのですが、だからこそ、とてもエネルギシュで胸を打つ。社会性など関係ないため、時には粗野に見えたりもする。社会的に、これが悪で、これが善だということも、あまり関係ないけれど、曲がったことは嫌い。その判断は、社会ではなく私がする、というのが牡羊座かなと。

悪童日記先日、映画『悪童日記』を見ていて、主人公の双子が自分たちの力で生き残っていく姿に、牡羊座的なものを感じました。彼らがしていることは無茶苦茶で、そのことにそう感じたのではありません。ひたすらに生き残ろうとする、その精神に牡羊座的なものを感じたのです。

混乱期に、とても強い星座かもしれません。型がきっちり出来上がった場所では、そのエネルギーを発揮しずらい星座。牡羊座は、火の星座になるのですが、火は閉じ込められるのを嫌うエネルギーとされています。(牡羊座以外の火の星座は、獅子座と射手座)

また、カスパー・ハウザーのことも思わずにはいられませんでした。彼の人生は、いろいろな映像作品や小説の題材にもなってます。

Kaspar_hauser私は、ヴェルナー・ヘルツォーク監督の『カスパー・ハウザーの謎』を見て知ったのですが、この映画に描かれているカスパー・ハウザーが、非常に純粋な存在であると同時に、知的で気品ある人物として描かれていたことに胸を打たれたのを覚えています。このカスパー・ハウザーは、19世紀に生きた人物です。理由ははっきりしないのですが、16歳ごろ保護されるまで地下の牢獄に閉じ込められており、言葉も話せなかったようです。彼は、保護された後、教育を受け、社会性を身に付けていくのですが、これも理由はよくわからないのですが、暗殺されてしまいます。

彼は、幼少期から通常の生活を送っていれば身に付くであろう数々のものを失っていたとされます。身体的なものを含め、いろいろな感覚を身に付けていませんでした。人間になるということはどういうことなのか。社会の中で生きるとはどういうことなのか考えさせられます。

彼にとっては、周りの人間にとっての「普通」は普通ではありませんでした。私たちにとっての「普通」とは、一体何なのでしょうか?自由であるとは何なのかな?と、カスパー・ハウザーの人生を思うと、わからなくなります。私たちでも、ちょっとしたことなら、文化圏の違う場所に行けば、簡単に感じることができるでしょう。牡羊座の純粋さには、「それが「普通」と言われてもなぁ?」みたいなものを感じます。そんなの人間が、それもこの辺りにいる人間たちが決めた「普通」に過ぎないじゃないか。そんなのわからないな。

そういった感じです。

ひねくれているわけではなく、シンプルな疑問です。ちいさな子どもにとって世界は新しく見たことのないものだらけです。牡羊座の世界では、世界はそういうものなのかもしれません。「当たり前」は存在しません。子どもは聞きます。

あれは何?

これは何?

それはどうして?

それが牡羊座の世界。生まれたての星座ですから。

「見たことのないものだらけの世界」と、聞いて、「わくわくする」と感じるか、「怖い」と感じるかは人それぞれです。どちらも感じる人が大半かもしれません。この牡羊座の季節はエネルギッシュです。このエネルギーに参っていまう人もいるかもしれません。何かが産まれるということは、それくらいエネルギーを必要とすることなのだなと感じます。

若い頃、私はこの季節がとても苦手でした。しかし、あるとき、ふと、それに抵抗しようとするのではなく、この流れに身を任せてみようかなと思えました。その頃から、この季節を愛せるようになったように思います。私もこうして生まれてきたのかなと、いろいろな植物が芽を出したり、花を咲かせたりするのを見て、とてもエネルギッシュであるし、そこには葛藤もあるかもしれないけれど、それは、ごく自然なことなのだと、思うことができたのかもしれません。

あっという間に終わってしまう素晴らしい季節。今年も、リラックスして、味わいたいなと思います。

さて、あなたがカードの聞きたいことを心に思い浮かべて、6枚の中から1枚選んでください。直感で、好きな絵柄で、または、何か引っかかりを感じるものを選んでみてください。

占いを始める

少しルールをお話しすると、先ほどもお話しましたが、今回のテーマは牡羊座です。この星座に関連したカード6枚を選んでいます。この星座に太陽が位置する期間は、今年は3月21日8時前から、4月20日19時前まで。

次回は、牡牛座に太陽が移る少し前に更新する予定です。そして、カードも牡牛座に関連するもの。毎回、その時期の星座に関連したカードが登場します。